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2018.07.28

第30回 症例検討会(小児部門)を行いました。

第30回 症例検討会(小児部門)を行いました。

 

テーマは「聴覚障害の評価について」でした。

聴覚障害に対し、障害の程度に応じて、補聴器や人工内耳による聴覚保証をすることはコミュニケーションを改善させるとの報告や、言語聴覚療法を行うことによりコミュニケーションの手段が増加するとの報告がありますが、行うように勧められますが、十分な科学的根拠はないようです。

以下に脳性麻痺児における聴覚障害について紹介します。

脳性麻痺児における難聴の定義や発声頻度については、かなりのばらつきがあり、難聴は4~13%、重度難聴は2~12%との報告があります。他には、脳性麻痺の7%に両側の中等度~高度の難聴があり、重度難聴は3~4%だという報告もあります。

また、脳性麻痺児における中等度以上の両側感音性難聴の合併率は1.5%、軽度難聴は4.6%、一側性難聴2.2%という報告もあります。

超低出生体重児における聴覚障害の発症率と重症度の調査では24年間の間に5%から13%へ増加したという報告もあります。

聴覚障害児において人工内耳埋め込み手術の超知覚と音声明瞭度における予後については、運動発達地帯の有無による差はみられないようです。また、人工内耳埋め込み手術の音声知覚における予後について、認知機能障害と身体障碍の程度、および手術時の年齢との関連性を調査した結果、認知機能障害が軽度のケースの方が有意に音声知覚予後は良好であり、身体障碍の程度との関連性については差がなかったようです。

さらに、人工内耳埋め込み手術年齢は、有意な音声知覚の予後予測因子ではなかったと報告されています。一方、脳性麻痺児の聴覚障害の原因となる損傷部位は、コルチ器官、特に外有毛細胞と蝸牛神経であると報告されてもいます。

重症心身障害児の場合、聴覚障害の程度に応じて、補聴器や人工内耳で聴覚保障することはコミュニケーションを改善が図られます。また言語聴覚療法(補聴器を装着して聴覚口話に文字や手話を用いる指導法)を行って結果、コミュニケーションが改善したという報告もあります。

 

(参考文献)

Reid SM: A population-based study and systematic review of hearing loss in children with cerebral palsy. Dev Med Child Neurol 2011; 53: 1038-1045.

北川可恵: 当センターにおける脳性麻痺児の聴覚障害. Audol Jpn 2007; 50: 625-626.

Synnes AR: Incidence and pattern of hearing impairment in children with <899g birth wight in British Columbia, Canada. Acta Paediatr 2012; 101: e48-54.

Amirsalari S: Cochlear implantation in children with motor developmental delay.  Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2012; 76: 100-103.

Steven RA: Cochlear implantation in children with cerebral palsy. Int J Pediatr Otorhinolayngol 2011; 75: 1427-1430.

Sano M: Sensorineural hearing loss in patients with cerebral palsy after asphyxia and hyperbilirubinemia. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 2005; 69: 1211-1217.

小川 洋:障害の評価と補聴器・人工内耳のの適応.音声言語医学 2010; 51: 199-202.

橋本かほる:重複障害幼児の言語聴覚療法に対する一考察.音声言語医 2010; 51: 324-329.

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