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2018.03.02

第16回 症例検討会(小児部門)を行いました。

第16回 症例検討会(小児部門)を行いました。

 

テーマは「寝返り獲得段階にあるダウン症児の運動発達状況について」でした。

 

※補足情報

我々が訪問リハビリを行っている対象者の中に最近、寝返り動作を獲得したダウン症児の方がおられます。その方の発達の特徴を評価から検討しなおし、今後数年に渡っての課題について整理しました。

 

ダウン症児の運動発達を検証した研究には「ダウン症候群を持つ子どもの運動発達特性と先天性心疾患による影響について(渡辺ら.2010) 」などがあります。

この研究では、ダウン症児24名の運動発達経過について、発達歴より運動発達月齢(定頸・寝返り・座位・腹臥位・四つ這い・つかまり立ち・独歩)およびshuffling、座位移動出現の有無について調査し、正常発達群との比較検討を行っています。

ダウン症児の各運動獲得月齢の平均は定頸6.2±1.7ヶ月 寝返り5.9±1.6ヶ月 座位12.1±3.3ヶ月 腹這い13.3±3.5ヶ月 四つ這い 19.5±5.3ヶ月 つかまり立ち18.7±7.1ヶ月 独歩27.5±5.5ヶ月となっています。

ダウン症群は正常発達群と比較して寝返り獲得のみ有意差は認められず、その他の項目は全て有意差が認められたとのことです。つまり、ダウン症候群児は一般的に知られている発達の経過を追わない児もいるということがこの研究からわかります。

また、ダウン症候群においては、寝返りは各粗大運動のなかで遅れが最も少ない項目であるという報告や抗重力的要素の強い移動運動において遅れが大きいという特徴があるとの報告もあるようです。

ダウン症候群の児の運動発達には個人差があり、合併症などの先天的要因と療育環境などの後天的要因があり、私たちリハビリも後天的要因として発達に関わってくる為、その児にあった効果的な介入を行っていかなければならないと小児部門内で改めて共通認識することができました。

また、今回の研究では心疾患の有無による運動発達の遅れについては有意差が認められないという結果となっています。近年の医療の発達により、心疾患に対して的確な治療や術後管理が行われていることが影響していると考察されています。私達リハビリも合併症に関する情報収集を始め、負荷量の設定や介入方法について常に検討していく必要があると思います。

 

株式会社PLAST

小児部門 プラストキッズ

kids@plast-project.jp

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